Japanese
English
増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
7章 Hodgkinリンパ腫
1 Hodgkinリンパ腫(HL)
Hodgkin lymphoma (HL)
髙橋 千春
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1014-1017
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206195
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Hodgkinリンパ腫(Hodgkin lymphoma:HL)は,欧米では全悪性リンパ腫の約30%,わが国では8〜10%を占めるリンパ腫である.加齢とともに発生頻度が増加する非HLとは異なり,若年者層(20歳代)と中年層(50〜60歳)にピークを有している.HLの病因は不明な点が多いが,多くはB細胞リンパ腫である.近年ではEpstein-Barrウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)感染との関連についても報告されている1〜3).
HLは,結節性リンパ球優位型HL(nodular lymphocyte-predominant HL:NLPHL)と古典的HL(classical HL:CHL)の2つに大別される.CHLはHL全体の95%を占め,4病型に分類される(→表1)1).CHLは,組織学的にHodgkin細胞やRS(Reed-Sternberg)細胞を特徴とする.
初発症状の多くは,無痛性表在リンパ節腫脹である.CHLの発生部位は頸部リンパ節が多く,病変は連続性に広がる.結節硬化型CHLでは縦隔病変を認めることが多い.血液検査では,血沈の亢進やCRP(C-reactive protein)高値などを認める.治療としては,化学療法単独または化学療法と放射線治療の併用療法が行われる.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.