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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
2章 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
2 真性赤血球増加症(PV)
Polycythemia vera(PV)
丸尾 理恵
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.918-919
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206161
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真性赤血球増加症(polycythemia vera:PV)は,赤血球および総血液量の著しい増加,また白血球・血小板の増加や脾腫を特徴とする骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms:MPN)のひとつである.一部は急性白血病や骨髄線維症に移行する1〜3).PVの診断基準を→表11,2)に示す.PVの95%以上にJAK2遺伝子変異(V617F)が検出され,それ以外の症例の大半にJAK2エクソン12変異が認められることから,JAK2遺伝子変異がPVの病態形成に大きく関わっている可能性が考えられる.
臨床症状としては,頭痛,めまい,視力障害が初期にみられる最も頻度の高い症状で,ときに胃潰瘍,肝脾腫もみられることがある.また,四肢の熱感・紅潮,入浴後の搔痒感がPVの特徴的な症状である.治療としては,瀉血やハイドロキシウレア,低用量アスピリン投与が行われる.
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