臨床医からの質問に答える
尿試験紙のpHがアルカリ性なのに,尿蛋白試験紙法が偽陽性になる検体と,ならない検体があるのはなぜですか?
鈴木 優治
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科
pp.238-240
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205860
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
尿には疾病につながる成分の出現や増減が現れるため,簡便に実施できる試験紙法によるスクリーニング検査が行われている.尿pHの生理的変動範囲はpH5〜8と大きいため,試験紙法による検査において,しばしば問題となることの一つに,尿pHによる妨害がある.尿蛋白質測定においては,pH8付近のアルカリ尿が示す偽陽性反応が知られている.
アルカリ尿の全てで偽陽性反応が生じるわけではないが,偽陽性反応を呈する確率が高い.アルカリ尿の一部でのみ,偽陽性反応が引き起こされる理由について考察してみる.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.