Laboratory Practice 〈微生物〉
環境からのLegionella属菌の分離法
村上 日奈子
1
1東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部
pp.164-170
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
レジオネラ症の病原体はLegionella pneumophila subsp. pneumophilaをはじめとするLegionella属菌である.Legionella属菌は環境中に広く生息しており,特に土壌,河川,温泉,ビルの冷却塔水,浴槽水などに存在している.ヒトからヒトへの感染はなく,Legionella属菌が存在するエアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)を吸入して感染を起こす1).生活環境中では,ビルの屋上に設置してある冷却塔水や循環式風呂から高頻度に本菌が検出され,市中肺炎だけでなく院内感染の原因となっている.また,Legionella longbeachaeによるレジオネラ肺炎は,ガーデニングの流行によって,園芸用腐葉土との関係が報告されている2).
ここでは,レジオネラ症,Legionella属菌の特徴,環境材料からの分離培養法を中心に解説する.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.