病気のはなし
ブランハメラ感染症
渡辺 貴和雄
1
,
中山 隆英
,
松本 慶蔵
1長崎大学熱帯医学研究所内科
pp.488-493
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205792
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サマリー
ブランハメラ感染症は,Branhamella catarrhalisによって起こる感染症である.本菌感染症は1980年以降,呼吸器感染症を中心に急速に増加しているが,近年,世界的にも中耳炎,髄膜炎,感染性心内膜炎などのほか臓器感染症の報告例なども増加している.本菌は,今日では口腔内常在細菌の一つとしてとらえるべきものではなく,肺炎球菌,インフルエンザ菌と同様に普遍的病原菌と考えるべきである,現在,病原性を発揮している本菌は約90%のβ-ラクタマーゼ産生率を有している.本菌は決して分離・同定の困難な細菌ではなく,また喀痰のグラム染色で容易に本菌感染症の推定ができ,かつ適切な化学療法の必要な疾患である.
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