連載 小児の臨床検査・10
小児の遺伝子・染色体検査
滝田 順子
1
1東京大学大学院医学系研究科小児科学講座
pp.58-62
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205777
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はじめに
悪性腫瘍では,しばしば染色体異常や遺伝子異常が認められるが,それが,診断や治療方針を決定するうえで有用な情報となりうる1,2).また,治療の効果判定に用いられることもある.したがって,腫瘍細胞の染色体検査,遺伝子検査は実地診療において重要な意味をなす3).これらは質的異常を捉えることが重要な検査であり,一般的に基準値が数値化されるものではない.言うまでもなく,腫瘍細胞にみられる染色体・遺伝子異常は健常人では検出されない.本稿では,小児の悪性腫瘍における染色体検査,遺伝子検査の基本事項につき概説する.
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