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髄液のグロブリン試験
内藤 昭智
1
,
笠松 干珠
1
,
大場 康寛
2
1近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部
2近畿大学医学部臨床病理学
pp.1524-1525
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205748
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[1]臨床的意義
正常髄液中では,γ-グロブリンはほとんど検出されないが,中枢神経系の疾患では増加する1)することが知られている(表1).また,髄液中の総蛋白量が,50mg/dlを超える場合も病的であるといわれている2).したがって,髄液の蛋白測定およびグロブリン試験の実施は,髄液蛋白およびグロブリンが増加する進行性麻痺,多発性硬化症,髄膜炎,脊髄腫瘍などの診断学的な意義が大きい.しかし通常,グロブリン試験といわれているものは,厳密にはγ-グロブリンのみに特異的なものではなく,アルブミンに対してもある程度反応するので,蛋白定性法であるともいえる.
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