研究
脳室上衣腫の髄液細胞診
安松 弘光
1
,
大場 康寛
1
,
八木 尚子
1
,
大田 憲章
1
,
浜脇 純一
2
,
海佐 裕幸
3
1東洋工業付属病院臨床病理
2東洋工業付属病院整形外科
3広島大学第2病理
pp.429-433
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914334
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はじめに
細胞診において,脳脊髄液中に腫瘍細胞が発見される機会は,脳脊髄腫瘍が比較的まれな腫瘍であるため極めて少ない.諸家の報告1〜5)によれば,この腫瘍に対する髄液細胞診の陽性率は低く,特に神経膠腫の亜型,すなわち髄芽細胞腫・脳室上衣腫・乏枝神経膠腫・星状膠細胞腫などについての症例は極めて少ないので,細胞診によりその組織型を推定することは困難である.
最近,我々は髄内に発生した脳室上衣腫の細胞を髄液細胞診によって診断し得た1症例を経験したので,摘出された腫瘍のインプリントスミア及び髄液中の腫瘍細胞の細胞形態学的所見について記載し,併せて若干の文献的考察を加えたい.
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