マスターしよう検査技術
膵描出のための基本走査—正常像と異常像
藤本 敏明
1
1神戸市立中央市民病院臨床病理科腹部超音波室
pp.1209-1218
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205682
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はじめに
近年,超音波検査は目覚ましい進歩を遂げており,腹部のスクリーニングにおいて,first choiceの検査法として重要である.その理由は,装置が安価で患者に苦痛を与えることなくベッドサイドで簡単に施行できること,検査結果が迅速に得られること,また非常に多くの疾患,病態が把握できること,などの点である.しかし,その診断能は術者の熟練度,経験,知識などに依存しているのが現状である.中でも膵疾患においては,解剖学的位置関係から膵描出さえも満足でないことがあり,診断困難なことがしばしばある.
そこで膵描出の基本走査法について,どのようなポイントに注意して検査をすれば鮮明に膵が描出でき,また病変の見落としが少なくできるかについて,走査方法とその超音波像(正常像,異常像)を呈示する.
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