マスターしよう検査技術
臓器の固定法
松下 央
1
1虎の門病院病理部
pp.985-989
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205620
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病理組織学的検索の対象となるものには生検検体,手術検体,そして解剖例などがある.これらは症例ごとに検体の大きさも異なれば,検索目的もさまざまである.よりよい標本,すなわち必要な情報をより多く,より正確に得るための標本を作製するには,最初のステップである固定操作を適切に行うことが重要である.十分量の固定液を用いて検体の内部にまで十分に固定液を滲透させなければならないことはいうまでもないが,標本作製の次のステップである切り出し,包埋,薄切,染色,そして鏡顕をつねに念頭に置き,検索目的に応じた固定法をくふうする必要がある.今回は主として生検検体と手術検体について主な臓器別に固定法を解説する.これらはそのまま解剖例にも応用しうるので参考にしていただきたい.
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