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デルタ(D)肝炎
小俣 政男
1
1千葉大第一内科
pp.515-516
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205601
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デルタ(D)肝炎ウイルスは,1977年Rizzettoらにより発見された1).環状のRNAウイルスであり,B型肝炎ウイルス(HBV)とともに感染を生じ,B型肝炎を劇症化させ,あるいは慢性肝炎を悪化させる.血中ではHBVの表面抗原(HBsAg)の殻をかぶった37nmの粒子として存在する(図).
イタリア,アマゾン流域に広く感染が認められるが,日本ではHBVキャリアの1%前後がデルタ肝炎ウイルスに感染していると考えられる(表1)2).その性状は植物に感染を生じるvirusoidあるいはviroidに類似しており,その由来も植物由来の可能性がある(表2).
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