検査ファイル
〈項目〉デルタビリルビン
野上 清信
1
1三井記念病院中央検査部
pp.1316-1317
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900381
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血清ビリルビンは,1937年にMalloy, Evelynによりジアゾ反応直接型と間接型に分画されて,長年にわたって臨床検査に応用されている.
血清ビリルビン測定方法に関して多くの改良法が報告されているが,その多くは反応促進剤についてであり,ビリルビン分画の定義は基本的に同じ考えかたに基づいている.ところが,1966年にKuenzleら1)は,除蛋白操作をしない血清をクロマトグラフィーで分析し,非抱合型ビリルビン(unconjugated bilirubin;Bu),1抱合型ビリルビン(monoconjugated bilirubin;mBc),2抱合型ビリルビン(diconjugated bilirubin;dBc)のほかに蛋白,特にアルブミンと強固に結合したビリルビン分画の存在を報告した.この分画はBu(α分画),mBc(β分画),dBc(γ分画)に遅れて出現するところから,δ分画(Bδ;デルタビリルビン)と命名された.
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