トピックス
経皮経管的冠状動脈内視鏡法(percutaneous transluminal coronary angioscopy;PTCAS)
井上 清
1
,
鷹野 悦子
1
1東京警察病院循環器科
pp.1393-1394
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205502
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最近では,発症早期の急性心筋梗塞症や発作が重積している不安定狭心症に冠状動脈造影(CAG)が実施され,これらの症例の責任冠状動脈枝における粥状硬化性狭窄・閉塞病変部の造影形態の検討が進められている.その結果,成熟した粥腫とその部に発症する血栓塞栓などが,これらの疾患の成立に関係して重視され,これとともに冠状動脈内血栓溶解療法(PTCR)や血管形成術(PTCA)など新しい治療法が活発化しつつある.そして,このような治療法の適用・方法の選択・結果の評価などはすべて,CAGにて行われているのが現状である.しかし,CAGは造影剤による影の診断であり,これだけをもって血管内部の病理所見を十分に把握することは難しい.
そこで,これに代わるものとして,他臓器において行われているような内視鏡的手法により,血管内を観察する方法の開発をこれまで続けてきた1〜5).そして最近では血管内視鏡の臨床応用も可能となり,上述疾患で血管内腔の状況の診断,PTCRやPTCA施術効果の判定,また冠状動脈硬化病変進行程度のin vivo macropathologyの把握などに供されている.
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