最近の検査技術
フルオロイムノアッセイ
渡邊 富久子
1
,
宮井 潔
2
1神戸女子薬科大学,臨床化学研究室
2大阪大学中検
pp.583-587
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205348
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
イムノアッセイ(免疫測定法;immunoassay)は,抗原抗体反応の特異性を利用した優れた定量法で,広く臨床検査にも応用されている.イムノアッセイは大きく分けて,何らかのマーカーを標識する標識法と,標識しないで直接測定する非標識法(ネフェロメトリーなど)がある.標識法のうちラジオアイソトープ(RI)を用いるのがラジオイムノアッセイ(RIA)1)であるが,最近はRIを用いない非放射性イムノアッセイ(non-isotopicimmunoassay)の重要性が注目されている.この非放射性イムノアッセイには,マーカーとして酵素を用いたエンザイムイムノアッセイ(EIA)2),freeradicalを持つ物質を用いたスピンイムノアッセイなどがあるが,螢光物質を用いるのが螢光イムノアッセイ(fluoroimmunoassay;FIA)である.
螢光物質による標識は,RIや酵素によるものと比較すると廉価で安定であり,特にRIを扱う場合のような特別の設備などを必要とせず,環境汚染の問題もない.そのうえ抗体との結合物と非結合物の分離を必要としない"均一系"(ホモジニアス;homogeneous)イムノアッセイは,簡便性の点で非常に優れている.種々の方法があり,以下それを概説する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.