免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
8・ホルモン
H その他
④エリスロポエチン
加納 康彦
1
,
阿久津 美百生
1
1栃木県立がんセンター内科
pp.884-886
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204634
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エリスロポエチンとは
エリスロポエチン(EPO)は赤血球の産生を調節している,分子量35,000の糖蛋白である.80年前すでにその存在が指摘されていたが,ヒトのEPOの純化は1977年になって初めて成功し1),さらに1985年EPO遺伝子のクローニングに成功した2,3).
EPOは主に腎臓で,一部は肝臓で産生されていると考えられているが,詳しいことはまだわかっていない.
赤血球は図1に示すように多能性幹細胞(CFU. S)から前期赤芽球系前駆細胞(BFU・E),さらに後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)へと分化する4).
CFU-SからBFU. Eへの分化にはburst promoting factor(BPF)が働くが,これは最近インターロイキン3(IL. 3)と同一物質であることが判明した.EPOはこれより成熟したCFU-Eのレベルで赤血球の分化に働き,前赤芽球,赤芽球を経て赤血球へと誘導すると考えられている.
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