免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
8・ホルモン
A 下垂体ホルモン
⑤TSH
宮 恵子
1
,
亀山 和人
1
1徳島大学医学部第一内科
pp.802-804
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204604
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TSHとは
甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone;TSH,thyrotropin)は,下垂体前葉のthyrotrophという好塩基性細胞から分泌される,分子量約28,300の糖蛋白で,αとβの二つのサブユニットから成る.TSH-αのアミノ酸残基数は89で,その配列はLH,FSH,hCGと同じである.TSH-βはアミノ酸残基数112で,TSHに特異的な配列を示す.
TSHは視床下部.下垂体-甲状腺系の一員として機能しており,TSHの分泌は視床下部のthyrotropin-releasing hormone(TRH)により促進され,甲状腺ホルモンにより抑制される.TSHは甲状腺濾胞上皮細胞の受容体に結合して,甲状腺のヨード摂取,甲状腺ホルモンの合成と分泌,甲状腺濾胞細胞の増殖を促進する.
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