病気のはなし
子宮頸管炎
二宮 敬宇
1,3
,
保田 仁介
2
1幸田産婦人科
2京都府立医科大学産婦人科教室
3岐阜大学産婦人科
pp.1352-1355
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204341
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子宮頸管の炎症(cervicitis)は感染性,非感染性ともに幅広い病因をもっている.感染性のcervicitisのほとんどが腟炎を伴っており,特に,慢性の頸管炎(chronic cervicitis)は婦人科疾患中でもっとも多く,腟炎と同様,帯下の原因としてももっとも頻度が多い.また.chronic cervicitisでは初期頸癌との肉眼的鑑別が困難な場合がみられ,安易な治療指針は慎しまねばならない.日常よくみられる疾患でありながら,病因論的研究は少ない.これは先に述べたように,複雑多岐な成因があるため,研究的アプローチが困難なためと考えられる.本稿では子宮頸管炎(infectious cervicitis)について解説する.
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