ザ・トレーニング
甲状腺の穿刺細胞診
小池 昇
1
1東京都老人医療センター病理部
pp.927-930
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204215
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甲状腺癌の細胞像
甲状腺の細胞診は,穿刺法の普及とその細胞像の理解が進んだことにより,近年かなり広く行われるようになりました.しかしながら,いくつかの理由で細胞診断が困難(難しい,にがて)とされるものの一つでもあります.その理由のもっとも大きなものは,分化癌とよばれる乳頭癌,濾胞癌の細胞異型が他の分野のものに比べてきわめて乏しいことにあります.それでいて,この分化癌が甲状腺癌の約90%(乳頭癌75%,濾胞癌15%)を占めているのです.そこで,この分化癌を中心に甲状腺癌細胞の特徴を考えてみましょう.以下,私(K)と新人細胞検査士A君との会話から.
A 甲状腺細胞診は経験も少なくよくわからないのですが,もっとも重要視すべき所見は何でしょうか.
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