検査を築いた人びと
視力検査表を考案した ヘルマン・スネレン
深瀬 泰旦
1
1東京慈恵会医科大学医史学
pp.788
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204170
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メガネをかけ,カメラをぶらさげて団体行動の好きな国民―海外でこのような一団に会えばまず日本人と思ってまちがいない,と以前からよくいわれていた.近ごろではカメラを肩にした人種は,必ずしも日本人ばかりではないようであるが,メガネのお世話になっている日本人は依然として多い.
視力の単位は第11回国際眼科学会議(1909)において,直径が7.5mmで,太さと切れ目の幅がおのおの1.5mmであるランドルト環を使用して,これを5mの距離から見分けることができる視力を1.0とした.わが国では石原忍(本誌14巻4号)がこれに改良を加えて,日本人向けの視力表を作成した.これがわれわれになじみ深い,"コ,ナ,ル,カ,ロ,フ"と半ば暗記している,あの視力表であり,この視力検査表をはじめて考案したのが,スネレンである.
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