検査を築いた人びと
—細隙灯によって角膜斜照法を開発した アルヴァール・グルストランド
深瀬 泰旦
1
1東京慈恵会医科大学医史学
pp.733
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204150
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角膜を検査するには,通常,まず暗室で斜照法を行い,プラチドー氏角膜計を用いて,その表面の状態を検査する.斜照法によって,角膜のみならず前房,虹彩,水晶体などをも見ることができるが,細隙灯を用いて検査すればいっそう詳しく見ることができる.グルストランドはいろいろな眼科用器具を開発したが,細隙灯もその一つであり,これを使用しての焦点照明の方法は眼科開業医によって,広く利用されるようになった.
アルヴァール・グルストランドは1862年6月5日,スウェーデンのランツクローナに生まれた.父の影響を受けて1880年に医学の勉強を始め,生理光学を専攻して,ウプサラ,ウィーン,ストックホルムで研究に従事した.1890年に博士号を取得してから,王立カロリンスカ研究所の眼科学講師となり,同時に眼科クリニックの主任医師も兼ねた.
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