検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
NCCLS標準法2—希釈法
菅野 治重
1
1千葉大学病院検査部
pp.699-705
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204142
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最近,Kirby-Bauer法を基礎とした,WHO勧告1)およびアメリカのNCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards)の実施基準2,3)に準拠した感受性測定用ディスクが日本でも市販となり,臨床細菌検査に採用され始めている.NCCLSでは希釈法についても以前から実施基準の標準化がなされていたが,感受性の表示段階,感受性基準などでディスク法と異なる部分もあった.しかし1985年12月に発行された"Method for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically M7-A"1,4)ではディスク標準法との感受性基準の統一がなされ,ほぼ一体化した測定法となった.
日本ではMIC測定法は日本化学療法学会標準法(化療標準法)5)が唯一の標準法であるが,NCCLSのMIC測定法とは異なる点もあり,成績の比較には注意が必要である.なおNCCLS標準法と化療標準法との比較は,すでに本誌1985年10月号6)で解説しているので,ここでは前述したマニュアル(M7-A)をもとにNCCLSの希釈法の測定上の注意と,その考えかたを中心に解説する.
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