臨床生理検査と技術 Ⅵ 筋電図検査
[1]筋電図検査の動向
鳥居 順三
1
1北里大学医学部内科
pp.568-571
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204104
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
筋電図検査は,神経・筋疾患の補助検査として欠くことのできないものであって,神経内科,整形外科,脳神経外科,小児科などの臨床各科で日常検査として用いられている.現在,病院の検査室では,脳波や心電図など多くの生理機能検査が行われているが,これらの検査は技師が一定の手順でデータを記録し,医師がそれを判定するという役割分担がある.しかし,筋電図検査は記録されたデータのみから病態を判定するのは困難なことが多く,検査中にデータを読む必要があり,また被検者の状態に応じて検査そのものをモディファイさせていかなければならない.そのために,技師と医師が互いに協力しながら検査を進めなければならないという,他の生理機能検査と異なる困難さがある.
近年,特に普及してきた末梢神経伝導速度の測定は,検査技師が単独で施行できる検査であるが,この測定に際しては,解剖学的に神経の走向などについて,あらかじめよく知っていなければならない.したがって,この種の検査に携わる技師は,生理学・解剖学などについて十分な知識が要求されるのである.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.