技術講座 生理
アーチファクトと対応法2—脳波
中山 和男
1
1岡山大学病院中央検査部
pp.356-361
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204045
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臨床脳波検査は,覚醒,安静,閉眼状態での検査に加えて睡眠記録,その他の賦活法のために,狭いシールドルーム内で30分〜1時間と長い検査時間を要する場合も多い.被検者は少なからず緊張していることも多く,体動などによるアーチファクトの混入は避けられない.ことに乳幼児,神経質な人,行動異常,精神遅滞のある人,理解力の衰えた老人などでは,その混入が多い.
アーチファクトの原因を大きく分けると,①検査室の環境の不備に由来するもの,②脳波計および付属機器に由来するもの,③電極に由来するもの,④生体(被検者)に由来するものの四つになるが,アーチファクトの種類別混入率について野田ら1)は図1のごとく,筋電図がもっとも高率で80%以上の記録に多かれ少なかれ混入しているとしている.また,アーチファクトの種類により,頭皮上の部位別,年齢別出現率が異なる2).
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