検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
尿中マイクロアルブミンの測定とその臨床的意義
小田桐 玲子
1
,
馬場園 哲也
1
,
野村 武則
2
1東京女子医科大学内科Ⅲ
2東京女子医科大学RA科
pp.319-323
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204036
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
尿蛋白の検査法として,一般には試験紙法が用いられている.この感度については伊藤ら1)の論文を参照されたい.
従来から日常繁用されている尿蛋白定量法には比濁法,比色法があり,その感度は,いずれも10mg/dl前後であり,より微量な蛋白を検出するには不十分である.尿蛋白が検出されるときには,すでになんらかの腎臓の組織学的変化が認められることが多く,検出された以後には経時的に進行していき,腎不全,透析に移行してしまう症例が見られる.したがって,この腎疾患を早期に発見し,かつ特異的にとらえる,鋭敏で確実な指標となる方法が必要となる.この一つの方法としてマイクロアルブミンの測定法がある.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.