技術講座 血清
Ⅰ式血液型判定法
黒川 一郎
1,2
,
佐々木 正照
1
1札幌医科大学検査部
2札幌医科大学病院検査部
pp.1177-1181
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203872
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ヒト血清中には,正常人でも低温で自己および他人の赤血球を凝集させる寒冷凝集素が存在しているが,その凝集素に対応する血液型の一つにⅠ式血液型がある.この血液型は,寒冷抗体型の自己免疫性溶血性貧血,マイコプラズマ肺炎,白血病などの患者血清中に高力価に存在する抗体として識別され,また人間の成長過程の変化とともにⅠ型とⅰ型に分けられる.
この抗体価が上昇したとき,ある種の血球と強く反応し,輸血検査実施のうえで,血液型判定・抗体スクリーニング,抗体同定,交差適合試験などへの影響が大きく無視できないものとなる.それゆえ,このⅠ式血液型と抗体の性状については,同定法も含めて正しく理解しておかなければならない.
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