技術講座 生理
超音波検査法の手技と基本パターン2—腹部(肝,胆,膵)
渡辺 五朗
1
1虎の門病院消化器外科
pp.1171-1176
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203871
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最近の高解像度の超音波機器では,細かな実質内部エコーの解析,細い脈管の判別・同定が行えるようになり,超音波検査は疾患のスクリーニングの意義のみでなく精密検査としても高い評価が与えられ,腹部領域では欠かせない検査技術へと成長した.しかし,この高度な技術も,超音波の原則的な知識と基本走査を身につけること,さらに腹部の立体的な解剖をイメージとしてとらえることなくしては,ただ危険のない検査としての地位にとどまらざるをえない.
本稿では,腹部各領域における走査の要領と基本的な超音波解剖像について述べ,高度な診断への基礎となるべき事項を挙げた.また超音波検査は被検者の状況(肥満,腹部手術後など)により検査条件の良否がかなり異なる点が初学者を大いに悩ませることになるが,この際の現実的な対応についてもつけ加えることとする.
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