技術講座 血清
ABO式血液型判定法
藤原 ムチ
1
1東京女医大輸血部
pp.64-65
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200433
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ヒトのABO式血液型は血球と血清の両側から検査した血液型が一致するのが普通である.これがランドシュタイナーの法則と呼ばれるものである.ほとんどすべての場合,ABO式血液型はこの法則に従っているが,この法則に従わない場合がときどきある.それは血球側の検査,すなわちオモテ検査から当然予想される抗体(抗Aまたは抗B)を血清(または血漿中)に欠く脱落型と称されるものである.またオモテ判定からは考えられない抗体を血清中に持っている余剰型といわれるものでA型,B型の亜型でA2型,A2B型などがあり,これらは抗A1を持っている場合がある.
このようにしてみると,オモテ検査の結果があやまりでウラ検査の結果が正しいという場合もあり,この逆の場合もありうるのでオモテ検査とウラ検査を必ず実施して血液型を決定しなければならない.
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