マスターしよう基本操作
髄液の検査法
島袋 宏明
1
1日本大学板橋病院臨床検査部
pp.1090-1097
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203843
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髄液(cerebrospinal fluid;CSF)は水様無色透明な液体で,脳室および脊髄腔を満たしていて中枢神経系の保護と代謝に重要な役割を果たしている.病的な状態では髄液の循環や成分組成に変化が生ずるので,髄液検査は神経疾患の補助診断や治療効果の判定に有用とされている.検体は腰椎穿刺,後頭下穿刺,脳室穿刺などにより採取され,それぞれやや性状が異なる.一般的には腰椎穿刺が広く行われるが,検査依頼書には穿刺部位を明記してもらうことが望ましい.提出される髄液量は少なく,多数の検査を依頼されることも多く,各種検査項目は極力微量化することにより必要な情報を数多く得る努力を払うことが大切である.その際,原法による結果との差は十分に考慮すべきである.本項に示せなかった検査項目については成書を参考にされたい.
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