病気のはなし
小児の肺炎マイコプラズマ感染症
桜井 信清
1
1旭中央病院小児科
pp.954-959
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203804
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我々臨床医にとって臨床の諸検査は必須の診断手段であるにもかかわらず,その手技や判定についての知識に乏しいことが多い.また臨床検査に携わる諸氏も,臨床からの情報は少ないのが現状ではないだろうか.今回,本誌からマイコプラズマ感染症についての執筆依頼を受けたが,これを読まれた諸氏がマイコプラズマ症に興味をもたれ,臨床の現場と検査室のギャップを少しでも埋めることに役だてばたいへん喜しく思う.
さて,マイコプラズマ症のうち,ヒトに病原性が確立されているのは肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae;以下Mpと略)なので,これについて述べさせていただく.このMp症は小児科医にとってなじみの深い感染症であるが,その実態は不明な点が多い.その原因の一つは,Mp症が極めて幅広い病態をもつために,その検索や調査が追いついていけないことだろう.
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