技術講座 血清
リンパ球細胞毒試験
能勢 義介
1
1兵庫県赤十字血液センター検査課
pp.862-866
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203787
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リンパ球細胞毒試験(lymphocyte cytotoxicity test;LCT)は,ヒトリンパ球の同種抗原と同種抗体の反応を,補体を介して判定する検査方法である.当初は白血球凝集反応により行われていたが,現在ではAmos,Terasakiらにより考案された,微量で多数の検体を処理できるリンパ球細胞毒試験が行われている.
ヒトリンパ球抗原は,主にヒト白血球抗原(human leukocyte antigen;HLA)抗原が存在し,リンパ球細胞毒試験はこれらのHLA抗原を検出,同定する検査方法である.そしてHLA抗原に対応するHLA抗体は,一般健康者は保有せず妊娠,輸血,移植などにより産生される免疫抗体である.そこでHLA抗原を同定するために,HLA特異性が判明したこれらの免疫抗体(抗HLA抗血清)が使用される.
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