病気のはなし
流行性髄膜炎
渡辺 一功
1
,
泉 昭
2
1順天堂大学内科(感染症)
2順天堂大学内科
pp.658-661
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203723
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流行性髄膜炎(epidemic cerebrospinal meningitis,meningococcal meningitis;髄膜炎菌髄膜炎)は髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)による流行性または散発性に発生する急性化膿性髄膜炎で,時に激烈重篤な敗血症を起こすことがある.髄膜炎菌は髄膜炎,敗血症以外にも,気道,関節,心臓,心膜,眼,皮膚,尿道,子宮頸部,直腸に単独あるいは複数の病変を起こすことが知られている1).
流行性髄膜炎は我が国では1818(大正7)年以来,法定伝染病に指定されており,図に示すごとく以前は年間1,000人以上の届出があったが,現在では年間15〜16人の届出があるのみで,まれな疾患となってきた.
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