Letter from Abroad 海外で活躍する日本の検査技師
現実になった"青春の夢"—フィリピン1
海浪 武志
1
1財団法人東京都予防医学協会検査研究部
pp.368-369
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203643
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■突然のJICAの要請
58年,春になると毎年楽しんでいた市ケ谷(東京)の土手の桜が散り,新緑が目にも鮮やかな5月初め,勤務先である東京都予防医学協会の上司に呼ぼれた.部屋に入ると「国際協力事業団(英訳ではJapan International Cooperation Agency.それぞれの頭文字をとり,JICA〔ジャイカ〕の名で国内外に知られている)から,当協会にフィリピン国における家族計画プロジェクトにおいて寄生虫対策分野の専門家を求めてきているが,必ずしも医者でなくてはならないということではないので,JICA側からの条件と照らし合わせ,内部で検討の結果,臨床検査技師である君を推薦しようと思っているのだが,君はどう思うか」ということであった.
"より" 若い頃,青年海外協力隊(Japan OverseasCooperation Volunteers:JOCV,去年は創立20周年)を目指したこともあったが,ボランティアと専門家と呼ばれる人の間にはいろいろな面で大きな違いがあることを知っていたので即座に返事はせず,2,3日考慮する時間がほしい旨申し出た.
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