基礎実習講座
PAP法の原理
佐藤 秀子
1
,
稲庭 義巳
2
1日本大学医学部第一病理学教室
2日本大学板橋病院病理科
pp.839-843
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203449
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蛍光抗体法や酵素抗体法は一般に免疫組織学的染色法と呼ばれ,細胞および組織内の抗原物質を特異的かつ再現性よく検出できるため,今日では各種の研究分野からルーチンに行われる病理組織学の分野に至るまで,幅広い分野において形態学の視点から追求するための極めて有効な検索方法として利用されている.最近では多種多様な抗血清や標識抗体が市販されていることなども手伝って,一般病理検査室においては日常の診断業務に導入されるなど,その利用頻度はますます高くなっている.
ペルオキシダーゼ・抗ペルオキシダーゼ複合体(peroxidase-antiperoxidase complex;PAP)法は免疫組織学的手技の一つで,基本的には酵素抗体法の原理を応用したものである.本稿では,PAP法の原理と染色を実施するに当たり必要な留意点をできるだけ具体的に解説するとともに,近年の免疫組織学的染色の状況なども述べてみたい.
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