けんさアラカルト
検査技師の国家試験はこれでよいのか
富田 仁
1
1京都博愛会病院
pp.780
発行日 1985年8月1日
Published Date 1985/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203433
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臨床検査技師の国家試験は,1958年(昭和33年)に第1回衛生検査技師国家試験として始まり,第28回がこの3月に行われた.初期の頃から,五者択一の試験であり,次の○○に関する文章のうち正しいものはどれかとか,誤っているものはどれか,という程度のもので,正解がないという問題はほとんどなかった.しかも,内容は臨床検査技師教育のための教科書に載っている程度の常識的なもので,どこを探しても見つからないような難問や奇問はほとんどなかった.
しかるに,しだいに教科書にはどこにも載っていないような問題も出題されるようになり,しかも,文章ないし字句が,a, b, c, dないしeと四つないし五つあって,解答肢が,「1.aとb 2.cとd……5.いずれでもない」というような形式が多くとり入れられるようになり,a,……dないしeの文章について正しい知識を持っていないと解答し難くなった.特に,「いずれでもない」とか,「すべて」というような答えが含まれていると,案外,正解らしいものが二つ残って難しくなる.
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