技術講座 輸血
ABO式,Rh式以外の輸血副作用のある血液型判定法—臨床的重要性の解明を中心に
田村 眞
1
,
松田 仁志
1
1東北大学病院輸血部
pp.735-742
発行日 1985年8月1日
Published Date 1985/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203417
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血液型にかかわる輸血副作用の発生が,赤血球にのみ限定されるものではないことは周知のとおりである.白血球,血小板はもちろん血漿でもそれぞれ個有の血液型をもち,共通する血液型とともにそれぞれの副作用は,免疫学的機序の側面からも徐々に解明されるようになってきた.輸血副作用を起こす赤血球の血液型をあえて分類するならば,その重要度から
1) ABO式,Rh式血液型 2)その他の血液型と分けるのが一般的のようである.ABO式血液型はLandsteinerの法則に基づき,規則的に抗体を保有し,その型不適合輸血は最も重篤な溶血性の副作用をもたらす.Rh式血液型のRh0(D)は,日本において抗体を産生できる可能性のある型の頻度が低いにもかかわらず,その免疫原性が強いために抗体が産生されやすい.また,いったん抗体が産生された場合の適合血の入手が極めて困難なことから,重要視されているものと推測される.
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