トピックス
最近の輸入感染性腸炎
赤尾 満
1
1大阪市立桃山病院
pp.1097-1098
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203215
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最近の経済成長に伴い海外渡航者も急増し,しかもジェット機により人や食品物が大量スピード輸送されるため,検疫所においては外国由来の伝染病および食品物をチェックすることは困難であり,患者の場合は国内に入ってから発病するのがほとんどです.そのために患者の診断・治療も混乱し,防疫上でも問題が起きています.特に問題なのは,日本が非常に清潔になりすぎているために,個人の衛生観念が消失し,発展途上国において安易な不注意により感染しているのが,現状です.
最近,赤痢の集団発生が増加し,その原因も外国由来と推定できる病原菌によるものが増加しています.あちこちに見られる弁当産業に対しても,行政指導の強化が急務と思われます.また全く新しい伝染病がアフリカなどの奥地から持ち込まれることも現状から容易に考えられ,これらの新しい伝染病・寄生虫の防疫対策も,国際的な視野で考える必要があります.
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