技術講座 細菌
酵母様真菌の同定
小栗 豊子
1
1順天堂大学病院中央検査室
pp.1085-1090
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203212
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臨床材料からの真菌の検出率は,近年増加の傾向にある.わが国において認められる真菌症はそのほとんどが日和見感染であり,中でも酵母様真菌が多い.当院中検においても各種臨床材料からの真菌検出頻度は増加傾向にあり,特に血液分離菌において顕著である.このことは今後,真菌の同定検査の必要性を示唆するものと思われる.
臨床材料から検出される真菌は皮膚糸状菌を除けばそのほとんどが酵母様真菌であり,カビは比較的少ない.酵母様真菌はCandida,Torulopsis,Cryptococcus,Trichosporonが比較的多い.これらは気中菌糸を形成しないため,一般細菌と同様に扱って差し支えない.
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