検査を築いた人びと
尿ビリルビン検出法を発明した レオポルト・グメリン
深瀬 泰旦
1
1順天堂大学医史学
pp.1010
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203190
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尿中のいろいろな成分を確認するのに,ペーパーテストが普及してからは,人名のついた試験は影をひそめてしまった.以前はウロビリノーゲンの検出には,エーリッヒのアルデヒド試薬が用いられ,アセトン体にはロテラ氏法といった具合いであった.そして血液中の直接ビリルビンが尿中に遊出してビリルビン尿となったとき,これを検出するテストにはグメリン法があった.
グメリン家は18世紀から19世紀にかけて,医師や自然科学者を輩出した有名な家系である.初代ヨハン・グメリンは1674年に生まれたチュービンゲンの薬剤師で,このヨハンの曽孫に当たるのが,胆汁色素の研究で名を挙げたレオポルド・グメリンである.
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