技術講座 血液
溶血に関する検査2—ハム試験など
大庭 雄三
1
,
宮地 隆興
1
1山口大学臨床検査医学
pp.515-518
発行日 1984年6月1日
Published Date 1984/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203061
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発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria;PNH,Marchiafava-Micheli syndrome)はしばしば汎血球減少を伴う慢性の後天性溶血疾患で,再生不良性貧血や骨髄増殖性疾患などと同様に,造血幹細胞の異常に起因する一症候群と考えられる1,2).PNHの際だった特徴は,補体溶血に対して異常に敏感な赤血球(PNH細胞)の存在で,いろいろなトリック(表1)を用いてこの特徴を証明することがこの病気の診断に不可欠である.疑わしい患者について酸溶血試験とショ糖溶血試験の両方を行うのが普通である.前者は特異性は良いが感度が低く,後者はより鋭敏であるが特異性で劣るという.
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