技術講座 一般
Addis's count
田村 忠雄
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.431-434
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203036
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1925年,Addisは腎疾患の診断や病勢・予後の判定に,尿沈渣にみられる円柱や血球などの有形成分の定量的検査が重要であることを提唱した.以来,本法は多くの学者に支持され,広く臨床検査に用いられてきた.
Addisの提唱した算定法には,1925年発表の12時間法と,その後1948年に発表された5分の1時間法2)がある.前者は沈渣の有形成分の保存のために被検者にあらかじめ蛋白食をとらせ,夜間12時間の採尿時間中は絶飲食を命ずるなど,酸性濃縮尿を得るように条件を設定するものであり,入院患者などのように採尿条件の比較的安定した状態での病状の判定に適しており,後者は比較的短時間の採尿で患者に負担を与えない点から,外来でのより多くの患者の診療や経過観察にも適し,それぞれの長所をもって臨床に応用されている.
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