技術講座 血液
白血球の特殊染色(I)—ペルオキシダーゼ
古沢 新平
1
1獨協医科大学第3内科
pp.157-160
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202216
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白血球の特殊染色の中で,ペルオキシダーゼ染色は最も歴史が古いが,急性白血病の鑑別診断に依然として最も臨床的意義の高い染色法である.本染色の基質として,古くからベンチジンあるいはその誘導体が用いられ,佐藤・関谷法など幾つかの優れた染色法が行われていたが,1975年ごろより発癌性の問題のためベンチジン系の入手が困難となった.以来本剤を用いない方法が研究され,今日まで既にフルオレン誘導体3〜5),3-アミノ-9-エチルカルバゾール6),4-クロロ-1-ナフトール7),αナフトール8)などを基質とする方法があいついで開発され,フルオレン誘導体では更に幾つかの変法も報告され,更にこれらのうちの数種はキットとして市販されている.
今回これらの方法のうちの主なものについて,技術及びその問題点について解説する.
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