最近の検査技術
肺アスペルギルス症の血清学的診断
渡辺 一功
1
,
山崎 みどり
2
1順天堂大学内科
2順天堂大学共同細菌研究室
pp.775-781
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201917
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化学療法の進歩,発展により一般感染症はかなり克服されたようにみられるが,しかし近年は緑膿菌及びブドウ糖非醗酵グラム陰性杆菌,セラチア,Cytomegalovirus,真菌あるいはPneumocystis cariniiなどによる難治感染症の増加が注目されており,これらは白血病や悪性リンパ腫,臓器移植後,殊に長期間にわたる免疫抑制剤の投与を受けている場合や悪性腫瘍で副腎皮質ホルモン剤,抗腫瘍剤,放射線療法などを受けている場合にみられることが多く,いわゆるopportunisticinfection(日和見感染)として無視できなくなってきている.
なかでも真菌症は数のうえから,また治療の面からも問題が多く,我が国の内科領域における代表的な深在性真菌症にアスペルギルス症,カンジダ症,クリプトコックス症及び藻菌症(いわゆるムコール症)などがある.
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