技術講座 病理
ヘマトキシリン染色液の調製法
岩垂 司
1
,
宮沢 一夫
2
1サクラ精機(株)研究開発部
2千代田製作所・商品開発センター
pp.237-241
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201803
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ヘマトキシリンは,中米及びインドに広く分布する豆科の小蕎木Caesclpinea種中にブラジリンとともに存在し,特に中米及びカリブ海地方に産するHematoxylon campechianumの心材抽出物中に豊富に見いだされる.この心材抽出物は古く18世紀よりクロムを主とする各種の金属イオンを媒染剤として織物の染色に用いられ,今日においても,絹,毛皮などの染色用に使われている,この粗天然染料中より有効成分としてChevreul1,2)は1808年にブラジリン,1810年にヘマトキシリンをそれぞれ単離した.ヘマトキシリンの構造は1908年にPerkin3)によって解明され,1963年のDann,Hofmannの合成4)により決定された.
生物標本の染色には前世紀中葉より用いられ,今日まで多くの,いわゆるヘマトキシリン染色液の調製法,変法,改良法5)が報告されている.
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