おかしな検査データ
10月号出題の答
久城 英人
1
,
扇谷 茂樹
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.63
発行日 1978年1月1日
Published Date 1978/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201548
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デキストラン炭末を用いるB・F分離は炭末の吸着性とデキストラン粒子の分子篩としての性質から小分子の物質を吸着沈殿させる方法である.本法は時間的ならびに経済的な面で二抗体法より優れるが,あくまで非特異的な吸着性を利用するためにB・Fの分離が完全には行われ難い.したがって,次にあげる原因により正誤差を生ずる.①温度(遠心分離後,上清とチャコールを分離する際にスタンダードに比べサンプルの室温放置時間が長くなると,温度の上昇によりチャコールが抗原抗体複合物をも吸着する),②タンパク量(尿や人工透析後の患者血清のようにスタンダードに比べタンパク量の著しく少ない場合,抗原抗体複合物までも吸着される),③血清タンパクによる非特異的抗原抗体結合反応抑制(遊離抗原の増加に伴うチャコール吸着RI量の増大),④RI標識物質の変性(標識物質からの非特異的なRIの遊離に伴うチャコール吸着RI量の増大).
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