おかしな検査データ
11月号出題の答
小林 一二美
1
1順大病院中検
pp.140
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201287
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問題はセルロースァセテート膜電気泳動において,同一ロットのセ・ア膜(セラフォー)を用いて,同時に同一患者検体を電気泳動した時の成績である.このように同一条件で行った時,βグロブリンとγグロブリンに差が見られる第一の原因は塗布位置による.セ・ア膜の種類により塗布位置は異なり,陰極側(βとγグロブリン分画の中間付近)へ塗布するセ・ア膜の場合,塗布位置を1mm(+)側,(-)側へずらせることにより,A,Bのような成績となる.
第二に塗布量(血清量)による.ただしこの場合は例題の成績とはやや異なり多目に塗布すると,アルブミンは高く,γグロブリンはやや高値を示し,他のグロブリンはやや低値〜変化なしという成績を示すようである.
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