今月の主題 高血圧とその周辺
高血圧症と臓器変化
本態性高血圧の重症度
増山 善明
1
1東大・第1内科
pp.1410-1411
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204963
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高血圧重症度分類の意義と問題点
本態性高血圧と診断された場合には,血圧の高さ,持続,その変動などを吟味するとともに,高血圧性血管病変により,脳・心・腎・眼底の如き主要臓器にどの程度の変化がき,それにより機能障害がどの程度あるかを診断することが必要である.このような臓器所見を加味した高血圧症の診断が重症度診断である.
この場合に問題となるのは,心血管系病変とそれにもとづく臓器障害のなかには,高血圧性変化とともに動脈硬化性ないし粥状硬化による病変が加味され,これを分離することがむずかしいこと,しかも患者を診療するに当たっては,両方の変化を考慮しなければならないことである.そのため高血圧の重症度診断に当たっては,高血圧性所見と動脈硬化性所見とをわけて考えながら,重症度分類に当たっては高血圧性所見に動脈硬化性所見を加味した像として分類せざるをえなくなる.
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