測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
特殊染色はなぜ必要か・1—細菌染色
金子 仁
1
1日本医大・老研基礎部
pp.341-344
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201347
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病理組織標本は通常H・E(Hematoxylin-Eosin)染色である.これは細胞の原形質を赤に,核を青に染める染色法である.その色合いの濃淡によって病変の特徴を幾らか知ることは可能である.しかし,赤と青の2色で原形質と核の形を知るのが主な目的であるから,細胞の産生物である粘液,脂肪その他を染め出すことは無理である.また種々の病原菌を明瞭に染め分けることは不可能である.
そこで病理の特殊染色の必要性が出てくる.特殊染色は細菌染色,ワンギーソン染色,アザン・マロリー染色,好銀線維染色,PAS染色,脂肪染色,組織化学による酵素染色などである.また,最近,生検のみならず剖検にも,電子顕微鏡が使用されるようになってきた.
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