学会印象記
第23回日本臨床病理学会
西部 ひな
1
1名市大病院中検
pp.55
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201260
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第23回日本臨床病理学会総会が10月22〜24日の3日間,秋晴れに恵まれて,鶴舞公園に近い公会堂と名古屋大学医学部の2会場で開かれた.この学会は十何年振りに名古屋で開催されたもので,古い医学部教室の一隅で4枚の画用紙を貼りつけた壁発表を見て回ったころを思い浮かべると,学会が大きく,また分野も広範囲になったことに改めて驚かされる.牛島会長が新しく運営にあたられたが,学会の指導者の交代をみるにつけ,この学会が発足してから長い年月を経てきたことを思い起こす.
検査室は病院の中の何もない一室から始まった.そしていわゆる創成期という苦しい時代を通り,安定期を経て今や開花期に入りつつある.幾人もの人がある時期自分の全エネルギーを投入し報われることも少なく去っていった.このエネルギーが今の臨床病理学会の土台となっていること,そして現在の会員の熱意が将来の臨床病理学会の基礎となることに留意したい.大学病院中検には部長の制度ができた.また幾つかの臨床病理学講座も開かれている.このような背景で学会はだんだんと充実し,より学問的な内容にと進歩してきている.検査室に働く人々にとって臨床・衛生検査技師学会と並んで有意義な学会であろう.
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