技術講座 生化学
タンパク分画
池田 清子
1
1慈恵医大病院中検
pp.661-666
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201153
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血漿タンパクは血流によって体内を運搬されているタンパク成分の総称であり,その種類は同定されているものだけで40種類以上に及び1),アルブミンの5g/dlもの含量のあるものから,ホルモンのように極めて微量しか検出されないものまで含まれる.免疫グロブリンと補体が網内系細胞で合成されるほかは,肝臓が重要な合成場所である.アルブミンに代表される膠質浸透圧の保持,栄養素の輸送のほか,数多くの機能を各タンパクごとに営んでいる1〜3).
合成と崩壊,漏出のいずれかの障害による各タンパク濃度の増減は各種疾患と密接な関係があり各々のタンパク量の変化を知ることは臨床的に大きな意義がある1〜3).この混合物であるタンパク成分を化学的,物理的,生物学的に分けることを分画と言い,数多くの研究がなされている1〜4).主な分画法を表に記してある.このほか2種類の方法を組み合わせる方法として電気泳動法やゲル濾過法と免疫化学的方法の組み合わせがある.
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