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尿素窒素をオートアナライザー(AA)で測定するようになって10数年になる,尿素とジァセチルモノオキシムとの酸化的縮合物の比色定量法である,標準液の系列と血清をサンプラーに並べた後,自動分析された記録のチャートよりデータを読み取るものである.手数のかかる手法に比べ,再現性は15.0±0.5mg/dlと良好である.本法による尿素窒素の測定はAAに適していたようだ.
その後多チャンネルAAなるSMA12/60が導入された.測定法は,Waltonらによる原法の改良法である.反応中に副成するヒドロキシルアミンの還元性を酸化剤により分解するのに,チオセミカルバジドを加えて促進させるとともに感度が増加し,呈色の極大も525nmに移動している.実はSMA搬入当初,直線性が得られず困った.原因は希釈血清が反応系に送られるところ,原血清が送られているという試料過剰によるものと分かり改善された,国産試液による直線性,再現性,相関などごく一般的なチェックの後,日常検査に入った,自動的な濃度の算出は,0濃度と測定範囲(0〜100mg/dl)の約2/3の60〜70mg/dlのレファレンス血清で濃度を設定する.このレファレンス血清の一部を異常値管理血清に代用し,正常プール血清の直前に入れ,この組み合わせを,血清試料10〜15本の間隔で挿入している.システムの条件がよい時には,前者は69.3±1.0mg/dl,後者は15.6±0.7mg/dl以内におさまり問題の少ない測定項目である.ところがある日突然,高値管理血清は68.8〜69.8mg/dlを示すので良いと思われるが,正常プール血清が10.6±0.4mg/dlと異常低値を示した.
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